良いラッチオンとは、赤ちゃんが乳頭だけでなく乳房全体に深く吸い付いている状態を指します。これにより、赤ちゃんは効率的よく、そして快適に母乳を飲むことができます。
良いラッチオンのサイン:
- 赤ちゃんの口が大きく開いている。下唇が上唇よりも乳輪を多く覆っている。
- あごが乳房に触れている。また、鼻が乳房に近い位置にある。(ただし押しつぶされていない状態)
- 吸い始めの数秒を過ぎてからは痛みを感じない
- 赤ちゃんの舌が乳頭の下にあり、丸まったり引っ込んだりしていない
- 吸い方がリズミカルで、飲み込む音が聞こえる、または飲み込む様子が見える
なぜ正しいラッチオンが重要なのか
浅いラッチオンや不適切なラッチオンは以下を引き起こす可能性があります。
- 乳頭の痛みや傷(亀裂)
- 赤ちゃんが母乳をうまく吸い出せない
- 時間の経過とともに母乳の分泌量が減る
- 授乳中に赤ちゃんがぐずったり、不機嫌になったりする
- 授乳時間が長引き、効率が悪くなる
しっかりと深くくわえさせることは、母親の乳頭を守るだけでなく、赤ちゃんが母乳の栄養を十分に摂取するためにも重要です。
正しいラッチオンのためのステップ
1. 母親が快適な姿勢をとる
赤ちゃんと「お腹とお腹」が向き合う姿勢を選びましょう。一般的な抱き方は次の通りです。
- 横抱き(クレードルホールド)または交差横抱き(クロスクレードルホールド)
- レイドバック法(後ろに寄りかかり、赤ちゃんを胸の上に乗せる方法)
- 添い乳(夜間の授乳向け)
必要に応じてクッションや枕を使い、腕や背中を支えましょう。
2. 赤ちゃんの体の向きを整える
- 赤ちゃんの頭と体が一直線になるようにする
- 赤ちゃんの鼻先が母親の乳頭の正面に来るようにする
- 赤ちゃんを引き寄せ、後頭部ではなく「首」を支える
- 口が大きく開くのを待ってからくわえさせる
3. 赤ちゃんの口が大きく開くように促す
乳頭で赤ちゃんの上唇を軽くつつきます。次の状態を待ちましょう。
- あくびをするときのように口が大きく開く
- 赤ちゃんの舌が前に出てくる
これらが確認できたら、赤ちゃんをすくい上げるように、あごから先に乳房に引き寄せます。
4. くわえたあとのラッチを確認する
確認事項:
- 上唇側より下唇側の方が乳輪が多く見えるか
- 頬がふっくらとしていて、くぼんでいないか
- 「チュパチュパ」という音や、乳頭から外れそうになる感覚がないか
- 吸い始めの数回を過ぎたあと、痛みがないか
もし違和感がある時は、清潔な指を赤ちゃんの口の端にそっと入れて吸着をはずし、もう一度トライしてみましょう。うまくいかなくても心配はいりません。これはよくあることで、慣れるまでには練習が必要なものです。
試してみるべきテクニック
親指サポートで吸着をサポートする「フリップル・テクニック」
この方法は深い吸着をサポートします。
- あごを先にして赤ちゃんを乳房に近づけ、乳頭が赤ちゃんの上唇よりも上に来るようにします
- 乳房の上部に親指を置き、優しく圧力をかけて乳頭を上向きに傾けます
- 赤ちゃんが口を大きく開けて吸い付こうとした瞬間に親指の圧力を解放し、乳頭が「フリップ」するように赤ちゃんの口の中へ下がるようにします。
授乳時の乳頭の入り込みに悩む方なら誰でも活用できますが、特に扁平乳頭の場合、舌小帯短縮症の赤ちゃん、口が小さい場合に効果的です。
乳頭吸引器を使用する
乳頭が平坦または陥没している場合、授乳直前にこのツールで乳頭を優しく引き出すことで、赤ちゃんの吸い付きを容易にします。
授乳用枕を使用する
しっかりした枕は、赤ちゃんを適切な高さに位置づけ、腕の負担を軽減するのに役立ちます。特に授乳時間が長い場合や新生児に効果的です。通常のソファクッションやベッド用枕でも同様に役立つ場合があります。
それでも赤ちゃんが吸い付かない場合は?
赤ちゃんが吸い付くのに苦労する理由は様々です。
- 舌小帯短縮症や口唇小帯短縮症
- 早産または筋緊張が低い
- 乳房が張ってうまく口に含めない
- 母乳の分泌量が少ない
- 胃食道逆流症(吐き戻し)
- 授乳拒否や、出産時の処置による影響
あなたは一人ではありません。お近くの母乳外来や自治体の授乳相談窓口も活用しましょう。
痛みを我慢しない
授乳に慣れるまでの間、乳頭に塗ることで乾燥や赤ちゃんに吸われる刺激から皮膚を保護してくれる、乳頭クリームを活用しましょう。この時期の授乳を少しでも快適にするための心強い味方です。授乳の前後に少量を塗り、乳頭を優しく保護しましょう。
すばやく冷やしたい場合は、ハイドロジェルパッドをお試しください
助産師が教える、上手に吸わせる5つのコツ
- 痛みがあるまま我慢しない:吸わせ方がおかしいなと思ったら、一度外してやり直しましょう。
- 「鼻と乳頭」を合わせる:くわえさせる前に、赤ちゃんの鼻先が乳頭の正面にくるように位置を整えましょう。
- 「練習」が必要なスキル:上手な吸着は、練習して身につけていくものです。最初からできなくても大丈夫。
- 「肌と肌」を触れ合わせる:スキンシップ(肌対肌の触れ合い)をすることで、赤ちゃんが本能的に乳頭を探し、吸い付くのを助けます。
- 早めに相談を:痛みを感じたら、「これくらい…」と思わずに早めに専門家へ相談してください。早ければ早いほど安心です。適切な授乳姿勢は母乳育児の成功の基盤であり、時間と忍耐、サポートによって向上します。
上手にくわえさせることは、授乳をスムーズに進めるための基本です。時間と根気、そして周りのサポートを受けながら、少しずつ上達していくものです。
数日かかる人もいれば、数週間かかる人もいます。大切なのは、あなた自身がリラックスでき、赤ちゃんが満足すること。毎回の授乳が、母親と赤ちゃん二人にとっての「練習」です。
あなたは本当によく頑張っています。その調子で進めていきましょう。そして、周りに助けを求めることを恐れないでください。